理想とする加熱工程の実現のために
誘導加熱(IH)は;
1. クリーンな加熱
2. ピンポイント加熱
3. 非接触加熱
誘導加熱は、導電性材料を加熱するための非接触の加熱方式です。
火炎を使用せず制御が容易で迅速なため、クリーンで無駄のない加熱方式として、熱を利用する製造プロセスにおいて幅広く用いられています。
アロニクスは、長年高周波の分野で培ってきた豊富な知識と経験、多くの産業でのノウハウで、はんだ付けやろう付け(ブレージング)、焼き嵌め、焼入れ、焼鈍(アニーリング)等、お客様の理想とする工程実現のための誘導加熱装置を設計・製造いたします。
装置の開発にあたっては、お客様の理想とする処理を詳しくヒアリングし、要件に適した内容をご提案いたします。
装置の一例につきましては、誘導加熱装置の導入事例をご覧ください。
説明ビデオ「はじめての誘導加熱装置」
誘導加熱装置をおすすめする理由
他の加熱方法に比べ、様々な利点をもたらします。
加熱方法 | 懸念点 | 誘導加熱装置の利点 |
---|---|---|
炎 | CO2の排出 | 火炎を使用しないため、脱炭素化(カーボンニュートラル)への取組みに寄与します |
高温が作業環境に影響 | 必要な部分・時間のみの加熱のため、作業環境への影響が少ない | |
温度制御が困難 | 温度測定のフィードバックにより、出力の高速制御が可能 | |
作業に熟練が必要 | 容易な制御性が、オペレータによるばらつきを防ぎます | |
炉 | 設置床面積が大きい | コンパクトな機器構成。電源と加熱コイルも離して設置できるため、スペースの有効利用が可能 |
昇温に時間がかかる | 電源投入後、急峻な立ち上がり(5ミリ秒)ですぐに加熱 | |
抵抗加熱 | 再現性に問題 | 安定した出力により、優れた再現性 |
誘導加熱装置の機器構成
高周波誘導加熱装置は、電源のことだけ考慮しても効率的ではありません。
電源、加熱コイル、制御の3つの機器のバランス、レスポンスの速さが、装置の機能性を最大限に引き出します。
1. 電源
誘導加熱装置の中核となるのが、誘導加熱電源です。
高周波誘導加熱電源は、加熱コイルを介して交流電流を送ることにより、被加熱物(ワークピース)の回りに磁界を発生させます。
加熱範囲や加熱温度等、被加熱物(ワークピース)に要求される加熱プロセスによって、電源の出力および周波数が異なります。
関連周辺機器
リモートワークヘッド
効率よく加熱コイルにパワーを送る整合器です。電源から離して設置することにより、ワークスペースを効率的に使うことができます。
リモートワークヘッドの概要
熱交換器とチラー
水冷式のシステムは、機器から発生する熱を除去する熱交換機構を必要とします。
信頼と実績のORION製チラーが最適です。
熱交換器とチラーの概要
2. 加熱コイル
電源からの交流電流によりジュール熱が発生し、コイル中の金属が自己発熱します。
被加熱物(ワークピース)の材質や加熱する箇所の大きさ等に合わせた適切な形状(丸やヘリカル、パンケーキ型等)が効率的なプロセスのキーとなります。
誘導加熱用コイルの概要
関連周辺機器
加熱炉
硬化、ろう付け、はんだ付け、溶解、乾燥などのアプリケーションに、取扱いが容易な加熱炉をご活用いただけます。
高周波誘導加熱炉の概要
3. 制御
温度による制御
放射温度計、温度調節器を通じた正確な温度測定、そして即応性が、電源の出力を高速制御し、より精確なプロセスを可能にします。
高性能放射温度計の概要
RS-485による制御
プロセスデータの取得・設定変更やプロファイルを送信します。
関連周辺機器
誘導加熱ソフトウェア:eVIEW
誘導加熱システムからのプロセスデータをリアルタイムに可視化、分析、格納します。
誘導加熱ソフトウェア:eVIEWの概要
総合的な最適化設計によるソリューション
アロニクスは、上述の機器それぞれの適切な機種の選定や設計、そして各機器をバランスよく効果的に組み合わせた最適化設計による誘導加熱装置で、お客様のニーズに適したソリューションを提供いたします。
また、コンパクトな構成の機械装置は、生産ラインへの統合も容易です。
製造ラインへの組込み装置の設計・製造まで対応しておりますので、より信頼性の高い、効率的な生産・研究のために、お気軽にご相談ください。
カタログ:誘導加熱装置の設計と開発
誘導加熱装置の設計と開発のカタログにつきましては、「お問い合わせフォーム」よりご遠慮なくお問い合わせください。