コイルの役割
誘導加熱電源より送られる交流電流は、コイルに流れます。
そしてコイルを流れる電流が、コイル内に配置された被加熱物(ワークピース)の周りに磁界を発生させます。
磁場が被加熱物(ワークピース)内に渦電流を誘導することにより、コイルと被加熱物(ワークピース)との物理的な接触なしに、精密で局所的な熱を生成します。
コイル形状の重要性
誘導加熱用コイルは銅チューブで作られ、通常水冷されます。
コイルのサイズや形状(らせん状、丸型、角型等)、巻数は、被加熱物(ワークピース)の特性や形状、加熱する範囲等、その時々の要件により異なり、下記の表のように関連しています。
被加熱物(ワークピース) | 加熱用コイル |
---|---|
材料の特性 | 直径 |
サイズと形状 | 形状 |
コイルの中での位置 | 巻数 |
要件に適した優れたコイルデザインが、最適な熱分布のために重要です。
また加熱プロセスだけでなく、被加熱物(ワークピース)の挿入と取り出し易さを考慮することが、誘導加熱装置の効率を最大限に引き出します。
コイル形状の例
EASYCOIL:フレキシブルコイル
EASYCOILは、従来の銅コイルでは困難な大きくて不規則な形状のワークや加熱要件が特殊なアプリケーションに最適なフレキシブルコイルです。
溶接用の予熱や焼鈍し、応力緩和、ダイ加熱、分解用の加熱、水素焼き出しのような緩慢加熱やバルク加熱アプリケーションにお使いいただけます。
EASYCOILの機能と特長
- 周波数5-45kHzの範囲で、250kWまでのEKOHEATで動作
- EASYCOILは長さ7.6m(25フィート):最大5つ連結可能
- 大きなワークも小さなワークも同等の効果で使用可能;
様々なアプリケーションに適用できます
EASYCOILは、巻きやすくワークの大小に関わらずお使いいただけます。
コイルは長さ25フィート(7.6m)ですが、大きなワークの場合は、最大5つのEASYCOILを直列につなげて使用することができます。
グラスファイバースリーブ管を備えており、低温アプリケーションで使用されることが多いですが、スルーキューリー加熱にもお使いいただけます。
ワークの表面温度が800°F(427°C)を超える場合は、セラミック断熱材が必要となります。
コイルの形状はご相談ください
アロニクスは、多種多様なアプリケーションに適応した誘導加熱用コイルを設計・製作し、加熱のノウハウを蓄積しております。またシミュレーションソフトにより、コイルをより精密に設計することが可能です。
効率的な加熱プロセスには、コイルの形状が重要となります。ぜひお気軽にご相談ください。